その７　ウェブジェネレータ完成披露

　田島は心血を注いだだけにウェブジェネレータに絶対の自信があった。ソフト会社からは「是非販売店として取り扱わせて欲しい」、サーバー業者からは「付加価値として提供したいのでデベロッパー契約を」、お店からは「すぐにホームページを開設したい」と引っ張りダコに

　ならなかった・・・

　ソフト業者を相手に何度かデモンストレーションもしたが、期待した反応は皆無だった。この時点で事の重大さを知り愕然とした。あまりにも甘かったのだ。商品に自信はあったが、それを販売する方法を全く知らなかったのだ。授業料としてはこれまでの苦労や出費は大きすぎる。

　ある日、通信機器の会社を経営している信販会社時代の先輩にアポを取った。ソフトのデモをするためだったが、通信機器とホームページは近いようで遠い。今思えば本当の目的は「こんなソフト作りました。凄いでしょう」と自慢し、褒めてもらって気分を晴らすことだったのかもしれない。
　先輩は期待通り「おもしろい、お客さん当たってみるよ」との社交辞令を送ってくれた。